インターネット上で公開されている対話型生成AI(人工知能)を悪用してコンピューターウイルスを作成したとして、警視庁が川崎市の無職の男(25)を不正指令電磁的記録作成の疑いで逮捕したことが28日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、逮捕されたのは林琉輝容疑者。2023年3月に複数の生成AIを使ってウイルスの設計図である「ソースコード」を入手し、ウイルスを作成した疑いがある。
米オープンAIが開発した「Chat(チャット)GPT」のような主要な対話型生成AIは、犯罪に悪用されかねない悪質な指示に回答しないよう対策が強化されている。だがネット上には対策が不十分な生成AIが存在するとされ、林容疑者はそれらを使用したとみられる。
作成されたウイルスには標的となるデータを暗号化したり、暗号資産を要求したりする機能があった。林容疑者は「ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)を作って金を稼ごうと思った」と供述しているという。作成したウイルスによる実際の被害は確認されていない。
警視庁は3月、林容疑者を偽造の身分証を使って携帯電話用SIMカードを不正に取得した詐欺容疑などで逮捕。捜査の過程で同容疑者が作成したウイルスを確認したという。
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