サウナで大ぶりのタオルを振り客に熱風を届ける、その名も「熱波師」。今週、開催された「熱波甲子園」には、熱い気持ちを持った“二刀流”熱波師がいた。
■独自の趣向をこらす…熱波師も
タオルで熱風を送り、客の汗を促し、至福の爽快感を演出する熱波師が全国から集結し、技とパフォーマンスを競う「熱波甲子園」が20日、横浜の温浴施設「おふろの国」で開催された。 各地の温浴施設などが加盟する、熱波師の技術向上などを目指す団体が主催するもので、今回で20回目を迎えた。 競技の一つ「ペットボトル落とし」は、水の入ったペットボトルをタオルで起こした風で倒すというものだが、風の強さや角度の完璧なコントロールが求められる。 さらに「おもてなし演舞」では、チームごとに5分間“熱波パフォーマンス”を行い、コミュニケーション力や客を楽しませる能力を競い合う。 湯舞音 袖ケ浦(千葉)「ゆぶね!ゆぶね!ゆぶねっぱ!ゆぶね!ゆぶね!ゆぶねっぱ!」
千葉の「湯舞音 袖ケ浦」チームは、オリジナル楽曲に合わせて熱波を送る。
独自の趣向をこらすチームもいた。 西尾温泉 茶の湯(愛知)「風呂屋の恐怖、げた箱からあふれ出る足のにおい」 そんな中、注目したのは現役の僧侶だという熱波師だ。 熱波僧 真炎さん
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」
サウナの中で一体、何が行われているのか…。
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■「ガチの僧侶」が熱波師になる決意をした理由■「ガチの僧侶」が熱波師になる決意をした理由
横浜市の温浴施設で20日、第20回「熱波甲子園」が開催された。その中に、強い思いを抱く熱波師がいた。 熱波僧 真炎さん「私、ガチの僧侶でございまして。僧侶兼、熱波師なんですけども、おそらく日本で唯一だと思います」
僧侶の衣姿で現れたのは、現役住職と熱波師の二つの顔を持つ熱波僧 真炎さん。
熱波僧 真炎さん「この空間に結界をはらさせていただきます。臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」 熱波師としての活動を布教活動ととらえ、仏教と熱波を融合させた「禅杖道」で、心の中まで熱波を送るという。 三重県にある寺を訪ねてみた。 垂坂山観音寺 吉田眞圓住職
「きょうは四十九日の法要と、永代供養墓への納骨をさせていただきました」
真炎さんは、普段は「吉田眞圓」として垂坂山観音寺の住職を務める。
眞圓さんは、会社員だった時代に悩みを抱え、仏門に入ることで救われたと話す。そして…。 吉田眞圓住職「自分が苦しかった時というのは、まだサウナに目覚めていなくて、その時にサウナがあったら、もう少し楽に生きられた」
人の苦しみを和らげたいという思いと、サウナでの経験がある日結びつき、熱波師になることを決意したという。
吉田眞圓住職「仏教の良さと、サウナと両方一緒に良さを伝えることができたらいいなという思いで、そこから始まってます。静寂の中で己を見つめ直す。汗と共にストレスを発散して、リラックスすることができる。非常に得るものというのは、似ているなと思ってます」
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■熱波甲子園…真炎さんの順位は?■熱波甲子園…真炎さんの順位は?
大会に向け準備も万全。本番をイメージし、本堂での素振りにも熱が入る。
吉田眞圓住職「(Q.罰当たりではない?)ここで遊んでいるわけではないので、(ご本尊様に)鍛錬の状況を見て頂いて、応援して頂いている気持ちでやっています」 そして迎えた、熱波甲子園の当日。
最大の見せ場「おもてなし演舞」。真炎さんのパフォーマンスが始まった。
熱波僧 真炎さん「仏様、色んな仏様がお見えになります。今から送らせていただく風は、如来さんの風。阿弥陀如来さんとか、釈迦如来。優しく、どこまでも優しく包み込むような風」
さらに…。
熱波僧 真炎さん「明王さんとか天部、これから個別に時には荒々しく導いてくれる。それを表現した風を時間まで、精一杯送らせていただきたいと思います」
仏様に例えた熱波で、客を体の芯まで温めた真炎さん。
順位は8位に終わったが「おもてなし演舞」の評価では、2位につけた。 熱波僧 真炎さん「すごく楽しかったです。もう、それがすべてですね。体が温まることで、幸福感を感じてもらって、力強く生きていってもらえる活力を与えることができるのではないかと思います。そんな存在に、なれたらいいなと思います」
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■町おこしに貢献している「熱波師」も■町おこしに貢献している「熱波師」も
様々な個性を持った熱波師が全国で活躍しているが、町おこしに貢献している熱波師もいる。それが、熱波甲子園で審査員を務めた、五塔熱子さんだ。
熱子さんは神奈川県出身で、関東の温浴施設を中心に熱波師として活動していたが、2020年、新型コロナの影響で活動機会が激減したそうだ。
そんな時に、鳥取県琴浦町で知人がフィンランド式サウナをプロデュースしたことを知り、活動拠点を移すことを決意し、2021年に移住した。
その知人プロデュースのサウナで「熱波師」と活動するかたわら、2023年熱波師の世界大会に出場し、個人準優勝に輝いた。番組で町役場の人に話を聞いたところ、大会後、「熱子さん目当てに町のサウナを訪れる観光客が増えた。これまで、サウナと全く縁のなかった町が『サウナの聖地』と呼ばれるほど有名になった」という。
現在、年間4〜5回「サウナフェス」を開催していて、今後も、サウナで町を盛り上げていきたいと話していた。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年5月23日放送分より)
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