台風1号の北上に伴い、気象庁は鹿児島県と宮崎県に線状降水帯の予測情報を発表しました。いつ、どこで大雨の危険性があるのか、今村涼子気象予報士の解説です。
■朝の通勤時間帯、猛烈な雨か…
27日夜から28日の日中にかけて、九州の奄美大島を含む鹿児島県と宮崎県に線状降水帯予測が今年初めて出されました。その原因の一つとして台風1号があり、進路は陸地からやや離れた場所を通過していく予想です。ただ、離れていても、暖かく湿った空気をどんどん送り込むので、それだけ雨雲が発達するということになります。
では、まずその線状降水帯が予想される九州の雨の予想を細かく見ていきます。28日午前0時から3時間おきにまとめています。 午前0時、日付が変わるころ、活発な雨雲が九州にかかってきてはいるのですが、まだこの時間まばらという状況です。それが変わってくるのが、夜中の午前3時。帯状になって組織化してきている部分が見られます。この辺りから線状降水帯になってきてもおかしくないような状況です。 今のところピークになりそうなのが、28日朝午前6時から9時前後にかけてです。東シナ海から非常に活発な雨雲が多く入ってきます。例えば、今予測が出されている鹿児島県、宮崎県以外の、例えば熊本県から四国の辺りにも強い雨がかかる可能性はあるということになります。 そして、さらに午前9時ごろも鹿児島県辺りに幅の狭い線状になった降水域が予想されていますので、この辺り(九州南部)で線状降水帯になってもおかしくないというような状況がうかがえます。ちょうど朝の通勤時間帯に猛烈な降り方をしてもおかしくないと思います。 さらに午前中も気は抜けず、雨雲がどんどん東へと進んでいく状況で、最後まで宮崎県内にかかって、それが四国へと移っていくという状況になりそうです。次のページは
■全国的に大雨災害に注意■全国的に大雨災害に注意
線状降水帯が発生すると本当に状況が急変します。中小河川だと一気にあふれたり、土砂崩れも突然起こるとか、そのようなことが過去ありましたので、本当に十分に警戒が必要になってきます。絶対に河川や用水路には近付かないということが大事だと思います。 そのほか、九州以外でも激しい雨が予想されています。雨の予想を見ていきますと、28日午前6時の段階で、九州に加えて四国・近畿などにも活発な雨雲も見られますので、どしゃ降りの雨で朝から始まるというところもありそうです。 そしてお昼ごろ、四国・近畿方面は高知県が一番のピークです。 午後になるとだんだん近畿・東海・北陸方面にも活発な雨雲がかかってきます。東海方面はかなり前から非常に湿った空気が入りますので、日中通して降りやすい状況です。 さらに夕方以降になると、関東も山沿いを中心に今年一番の大雨になるようなことが考えられます。全国的にいつどこで大雨の災害が起きてもおかしくないような状況ということです。今年もそういう災害級の大雨の季節が始まったということになりますので、意識を強めていただきたいと思います。
テレ朝天気(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年5月27日放送)
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