北海道や東北で人がクマに襲われる件数が増えています。人を食べ物と認識するクマもいて、原因は人によるシカの放置ではないかという指摘があります。
■人間を“食べ物”と認識するクマも…
全国で相次ぐ、クマ被害。秋田ではクマに襲われた可能性がある男性の遺体を山中から運ぼうとした警察官2人が襲われ、大けがをしました。 本来、クマは草食に近い雑食ですが、北海道では姿をめったに見せず、“忍者クマ”と呼ばれた「OSO18」が66頭もの牛を襲いました。北海道のほぼ真ん中・上川郡では今月19日、大きなクマの足跡が発見されました。
先週、別海町では子牛4頭が襲われ、死んでいます。
環境省によると、昨年度のクマによる全国の人身被害は統計を開始した2006年以降最多で、200人を超えています。 ツキノワグマ被害緊急対策会議「人が持っている食べ物を奪うとか、人を食べ物と認識して攻撃する個体もまれにいる」 “食べ物”として人を襲うクマ。ハンターはそのきっかけとして、意外な動物の名前を口にしました。 北海道猟友会 標茶支部
後藤勲支部長(80)
「まずはシカなの。食べているうちに、肉の味を覚えたのではないか」
エゾシカの生息数は、年々増加しています。
北海道在住 ハンター歴4年「ハンターが捕って、放置したシカを代わりに回収したことがある」 駆除した死骸をそのままにしてしまうことや、弾が当たっても倒れなかったシカが別の場所で死ぬことがあり、その肉をクマが食べるというのです。 後藤支部長
「シカは、たくさん北海道にいるので。(クマは)そのついでにウシを襲ったりする。肉食(のクマ)が多くなるのではないか」
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■東京でも…クマの目撃情報■東京でも…クマの目撃情報
目撃情報は、東京でも…。今月17日には、青梅市からメールでクマへの注意喚起が行われました。この2週間ほど前には、目撃された場所から300メートル離れた公園で、クマの足跡のようなものが発見されていました。
青梅市周辺で撮影された映像です。
撮影者「登山とか山奥に入る人でないとあわないと思っていたが。道路際まで来ていたので、これ以上おりてこなければいいな」
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■ハンター年々減少…“バラバラな報酬”も問題に■ハンター年々減少…“バラバラな報酬”も問題に
クマを駆除するハンターも高齢化が進み、年々減っているといいます。 後藤支部長「ハンターも少なくなっているし、北海道では年間1000頭も(クマが)捕られているのは、ほとんどの人が知らない。鉄砲撃ちがいるから、これで収まっている」 それに加え、自治体によってハンターへのクマ駆除の報酬がバラバラなことも問題になっています。
札幌市では1回の出動で2万5300円を支給されているのに対し、北海道奈井江町で提示された日当は8500円。報酬が少なすぎると、ハンターから反発が起きていました。
北海道猟友会 砂川支部 奈井江部会山岸辰人部会長
「クマやるってことは、デルタフォース(米軍の特殊部隊)を相手にしているようなもんだよ」
命がけの仕事に見合う金額とはいえず、猟友会は参加を辞退することにしました。
このままだとクマを捕るハンターは少なくなってしまうと心配しています。 後藤支部長「人間がおりに入って歩かないといけない時代になるだろうと思う」
(「グッド!モーニング」2024年5月27日放送分より)
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