北海道銀行(札幌市中央区)の本店ビルにあった画廊「らいらっく・ぎゃらりい」が、建て替えに伴い約160メートル離れた新ビルに移転し、5月15日にリニューアルオープンした。市民の芸術拠点として40年近い歴史があり、運営する「道銀文化財団」の井出隆久事務局長(66)は「道ゆく人も気軽に見に来てほしい」と話す。(共同通信=日下宗大)
画廊は市中心部の大通公園に面したビルの1階で1986年に開設。約23平方メートルと小規模だが、交通の便の良さと比較的安い利用料が売りで、プロの作家から個展を初めて開く人まで幅広い層に愛されてきた。
入場時間を同行の窓口営業より遅い午後6時までとするなど、使い勝手の良さを追求し、2020年以降の新型コロナウイルス流行期も利用率は8割超を維持した。
2016年から不定期で開催している「CUBE展」もその一つ。狭さを逆手に取り、あえて客を入場させず、水槽の中をのぞくように外からガラス越しに観賞する方式を採った。空間を全部使えて、「天井から物をつり下げたり、床に砂を敷いたりといった展示をできるようにした」と同財団次長の柿崎久美子さん(54)は狙いを語る。
北海道銀は今年2月、同じくほくほくフィナンシャルグループ傘下の北陸銀行(富山市)と共同利用する新ビルを本店の近くに完成させ、4月中旬に本部機能を移転。画廊も同ビルの1階に移った。
28平方メートルとやや広くなり、ガラス張りの壁が1面から2面に。控室もあって作品の入れ替えなど展示方法の幅が広がる。「作品の見せ方をワクワクしながら考えてほしい」と柿崎さん。
移転前の画廊では2~3月、最後の作品として日本画家水野剛志(ひさし)さん(46)の羊蹄山の絵が展示された。水野さんは「街のギャラリーが減る中、若い作家の発表拠点となってほしい」と再開後の画廊に期待した。
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