原発事故時、収束に当たる作業員を原発内で診療する医師を確保するため、大手電力などが全国規模の事前登録システムを本年度中に構築することが26日、分かった。医師は交代で現地に派遣され、初期診療を担う。患者に放射性物質の汚染があれば除染して外部の病院へ搬送し、本格的な治療に引き継ぐ。救急医療の関連学会などを通じ登録を呼びかけ、120人の参加を目指す。 原子力施設内での傷病者対応は、2015年の原子力災害対策指針改定で事業者の責任として明記され、厚生労働省が体制整備を要請した。東京電力は11年の福島第1原発事故後、「1F(第1原発)―ERネットワーク」という仕組みを導入。ERは救命救急室を指し、全国の登録医師60人程度が交代で第1原発内で作業員を診療している。 大手電力でつくる電気事業連合会によると、新たなシステムは「全サイトERネットワーク(仮称)」。第1原発と同様の仕組みの全国版をつくる。東電のほか原発を持つ電力会社と日本原燃が参加する。
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