不完全だった左後ろ脚を切断し、正常な脚が再生したイベリアトゲイモリ(左)=3月、愛知県岡崎市(基礎生物学研究所の鈴木賢一特任准教授提供)

 生まれつき膝から先がないイモリの後ろ脚を切断したら、機能も形も正常な脚が生えてきたと、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などのチームが16日までに発表した。イモリやアホロートル(ウーパールーパー)などの有尾両生類が、失った体の部位を再生できることは知られていたが、不完全な脚でも正常に戻る「超再生力」があると分かったのは初めて。  遺伝子に着目して詳しいメカニズムを調べれば、イモリの持つ高い再生能力の秘密が明らかになるかもしれない。  チームは、イベリアトゲイモリで実験。遺伝子を改変する「ゲノム編集技術」で、手や脚をつくる上で重要な「FGF10」という遺伝子を働かなくしたところ、両方の後ろ脚が不完全なイモリが生まれた。後ろ脚を切断すると、指がきちんとそろっていて動きも正常な脚が生えてきたという。  受精卵から成長する過程では、FGF10が他の遺伝子に働きかけて手や脚ができる。しかし、切断面から再生してきた脚では、FGF10が働いていないにもかかわらず、手や脚を作る複数の遺伝子が正常に働いていた。


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