「相馬野馬追」が開幕し、福島県相馬市を練り歩く騎馬武者(25日午前)=共同

福島県の沿岸部で千年以上の歴史を誇り、甲冑(かっちゅう)姿の騎馬武者が威風堂々と戦国絵巻さながらの光景を繰り広げる行事「相馬野馬追」が25日、開幕した。

例年7月の開催だったが、2023年に熱中症で馬が死ぬなどしたため、24年から猛暑を避け5月の前倒し開催となった。

同県相馬市の相馬中村神社から武者行列が出陣した。総大将はかつて一帯を治めた相馬氏の末裔(まつえい)で広島県在住の相馬言胤さん(15)。出陣式で「多くの騎馬が参陣できたことをうれしく思う。威風堂々進軍してほしい」と述べた。騎馬武者は沿道から声援や拍手を受けながら、さっそうと市内を練り歩いた。

相馬野馬追は、相馬氏の遠祖とされる平将門が放った野馬を敵に見立てて軍事演習をしたのが起源とされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。26日には最大の見せ場「甲冑競馬」や「神旗争奪戦」があり、27日に最終日を迎える。

2023年は7月29〜31日に開催。甲冑競馬があった30日は最高気温が35度を超え、救護される人が相次いだほか、馬2頭が熱中症などで死んだ。〔共同〕

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