目撃情報が相次いでいる「シカ」です。場所は東京・江東区。一体どうやって都内まで来たのか、「3つのシナリオ」を追跡しました。
■シカの目撃相次ぐ 街中を歩く写真も
愛くるしいシカ。ただ、大都会に現れたら話は別です。23日、東京・江東区で撮影された写真です。柵の向こうをシカのような動物が歩いています。 動物研究家 パンク町田さん
「間違いなくシカ。去年の子どものオスかな、ツノありますもんね」 パンクさんによると、年齢は1歳ほどの雄のシカだといいます。 (山木翔遥アナウンサー)
「きのう(23日)午前3時ごろ、こちらの交差点で、体長1メートルほどのシカのようなものをみたと警官に通報がありました。この場所は車通りも非常に多く、草木はありますが舗装された幹線道路です。そして、大型ショッピングセンターや高層マンションが立ち並んでいる場所です」
シカが現れたのは、銀座から約6.5キロ。江東区の地下鉄・南砂町駅から南東に800メートルほど離れた交差点です。周辺には、ショッピングセンターやマンション、小学校やサッカー場もある地域です。
23日、目撃したという男性に話を聞くことができました。 目撃した人「東京にまさかいるとは。フェンスの外にいた、午前9〜10時の間」 写真が撮影されたのは、通報があった現場から400メートルほど離れた運送会社の敷地です。
目撃した人
「(体長)1メートルから1メートル50センチくらい。20〜30分そこにいた。逃げたり、あまり動かなかった」
目撃情報はほかにも…
目撃されたシカは、スロープの近くで右往左往。その後、2メートルはあろうかというフェンスを飛び越え、茂みのほうへ逃げて行ったといいます。
「何するか分からないので、いなくなってほしいと思う」
「(Q.もし遭遇したら?)軽くパニックになる」 住民
「危ないと思う」
「(Q.シカが出たと聞いたことは?)ない、まったく。どこから来るのか…」 そもそも、東京の周辺でシカが生息しているのは、千葉県の房総半島や、荒川の上流の埼玉の山あいだといいます。 住民
「(東京に)なかなか来られない。トラックから逃げたとか?」 パンク町田さん
「(Q.人為的に運ばれた?)野生動物は簡単に輸送できない。無理やりつめて輸送すると傷だらけになる」
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■なぜ?東京にシカ出没「3つの説」■なぜ?東京にシカ出没「3つの説」
なぜ生息域から遠く離れた、東京23区に現れたのでしょうか?
「千葉から海を泳いできた」「荒川を下ってきた」「何者かが運んできた」という3つの仮説が浮上するなか、パンクさんが有力視したのは…
パンク町田さん「舘山から泳いできたとはちょっと考えられない。荒川の上流から下ってきたと一番考えやすい。数十キロの上流だと思う。(1日に歩く)距離自体が20キロ、30キロあるから、真っ直ぐ来れば一晩で移動できる距離」 同じ個体かは分かっていませんが、江東区の荒川沿い、約40キロ上流の埼玉・川越市では3月、河川敷でシカが撮影されています。
また、都内の荒川沿いでシカが現れたのは今回だけではありません。
4年前にも、東京・足立区や板橋区の荒川の土手にシカが現れ警察官らが捕獲。その後、動物園で保護されています。
シカが荒川を下ったのだとしたら、なぜ暮らしにくそうな都内を選んだのでしょうか?
パンク町田さん「何か驚いたのでは。車に軽く接触してしまったとか、犬に追いかけられてしまったとか。草食動物だから、逃げることで勝利を得る動物です。戦って勝利を得る動物じゃないので、何か驚いて思わぬほど遠くに来てしまったということもある」 パンクさんによると、繊細なシカは滅多に人を襲うことはありませんが、夜行性なので、夜は特に注意が必要だといいます。 パンク町田さん
「目が夜にきくように、瞳孔をものすごく大きく開いて、強い光で目がくらみやすくもなっている。急に車のライトか何かを浴びてしまうと、目の前が真っ白になって何かに激突してしまう恐れはある。パニックを起こせば向こうも必死だから、人間に接触した状態で走り出すことも考えられる」 江東区は、シカを見つけても近づかないよう住民に注意を呼びかけています。 この記事の写真を見る(19枚)
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