長野県中野市で猟銃やナイフで住民2人と警察官2人の計4人が殺害された事件から5月25日で1年です。近くに住む青木政憲被告(32)は2023年11月、4人に対する殺人の罪などで起訴されましたが、現在も裁判の日程が決まっていません。担当の弁護士によりますと、青木被告は事件についてほとんどしゃべっておらず、1年が経とうとしている今も事件の真相はつかめていない状況です。一方、友人や知人は今も変わらず深い悲しみの中にいます。
■知人「亡くなった気がしない」
竹内靖子さんの知人・布施綾子さん:
「変わらないですね、変わらないというより、まだね、受け止められない、亡くなった気がしない」
小布施町で陶芸工房を開く布施綾子さん(71)。
犠牲となった竹内靖子さんは月に一度ほど工房に通い、粘土の焼きものを作っていました。
■「キラキラして、よく笑う人でした」
事件から約半年たった2023年秋、竹内さんの家族が工房を訪ねてきました。
竹内さんが工房でどんな様子だったかなど、思い出を語り合ったということです。
布施綾子さん:
「よく笑う人でしたよ。面白い話をしてキラキラ、自分でもよく笑ってた。(靖子さんが)どんなところでやっていたのかなって家に帰ったら結構楽しく話をしていたと思うんですよ」
■被告への思い「自分のしたことを認識して」
事件から1年―
被告への思いは…。
布施綾子さん:
「(青木被告には)自分のしたことぐらいね認識してほしいと思います。どういう償いになるか分からないけれども、自分のやらかしたことは自分で始末するのよ。どんな結果になってもこのことは一生その人からとれません」
■バラの造花をプレゼント それが最後に
村上幸枝さんが27年間通っていた美容室の店主・鈴木政行さん(65)。
村上幸枝さんの知人・鈴木政行さん:
「誕生月、ご来店のお客様にプレゼントとバラの花、確かピンクを持って行ったと思うんだよな」
2023年3月、美容室を訪れた村上さんにバラの造花をプレゼントしましたが、それが最後の来店となりました。
鈴木政行さん:
「事件当日、報道を見て、『えっ』てなって、ああやっぱりあの村上さんかと。両親とか肉親の死とは違う痛みがありました」
■深い悲しみ、複雑な思い
深い悲しみの中にいる鈴木さん。青木被告の家族とも親交があり、複雑な思いも抱えています。
鈴木政行さん:
「(青木被告は)人をあやめるために生まれてきたわけでもないし、村上さんも人に殺されるために生まれてきたわけではない。(青木被告を)孤立させちゃうような状況を作ったのは先人である私たちではないのかなという。第二の青木容疑者をつくらないために、いま先人の俺たちが何をできるんだろうか、何ができるんだろうかと考えることが必要だと思うんですよ」
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