東近江市の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(44)は、2003年に入院患者が死亡したことをめぐり、殺人の罪で服役したあと、4年前、やり直しの裁判で無罪が確定し、不当な捜査で長期間拘束されたとして、国と滋賀県に賠償を求める訴えを大津地方裁判所に起こしています。
訴えの中では、取り調べを担当した警察官が、西山さんに迎合的な特性があることを利用して都合のよい自白調書を作成したなどと主張していて、23日、この警察官への証人尋問が行われました。
県側の弁護士から当時の取り調べの状況を尋ねられた警察官は、西山さんはみずから殺害を認める供述を始めていて、供述を誘導したことはないとしたうえで「西山さんの態度から供述の内容はある程度信用できると思った」などと述べました。
一方、警察官は、西山さんの弁護士から西山さんが1時間以上にわたって犯行を否認したにもかかわらず調書を作成しなかった理由を尋ねられ「否認は一時的なものだと考え作成しなかった」などと答えました。
また、西山さん本人が「あなたは何度も『俺がおまえの不安を取り除いてやる』と言いましたよね」と問うと、警察官は「取調官として改心させようという気持ちだった」と答えていました。
裁判では今後、警察官の上司や西山さん本人が証人として出廷する予定です。
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