青森県田舎館村で行われる名物イベント「田んぼアート」。31回目となる今年は、新千円札の肖像となる北里柴三郎や、津軽が舞台の人気漫画などを題材に行われる。県ゆかりで話題性が高いとあり、観光客誘致に期待が高まっている。
田んぼアートは、緑や紫、赤など葉の色が異なる稲7色10品種を使い、田んぼに巨大な「絵」を描く。主催の同村むらおこし推進協議会(会長=鈴木孝雄村長)が5日、今年の題材について、第1会場は「神奈川沖浪裏と北里柴三郎」、第2会場は今月からアニメ放送も始まった「じいさんばあさん若返る」に決めたと発表した。
村役場隣の第1会場(1.5ヘクタール)右側には、青森県十和田市の北里大学獣医学部の祖である北里柴三郎。左側に、葛飾北斎の「富嶽三十六景」の一つ「神奈川沖浪裏」を描く。7月に発行される新千円札がモチーフだ。
「じいさんばあさん若返る」は、ある日リンゴを食べたことで突然若返った老夫婦が、青森県弘前市、平川市を舞台に様々な騒動を巻き起こす日常系のコメディー。道の駅いなかだての第2会場(1ヘクタール)ではリンゴ園を背景に、2人が黄金のリンゴを掲げる構図だ。
弘南鉄道(本社・平川市)がアニメとのコラボラッピング列車の運行を始めるなど、地元は観光客誘致の機運を高めようとしている。鈴木村長は「(アニメについて)リンゴが描かれ、津軽地方を盛り上げるのによい。神奈川沖浪裏は、前々からやりたいとは思っていたテーマ。技術が上がっているので、今年はとてもいいものが出来ると期待している」。協議会によると昨年の観覧者は14万9千人で、鈴木村長は「コロナ前の平均二十数万人には届かないまでも、昨年より2万~3万人多く来てもらいたい」と意気込む。
観覧は第1会場が6月3日、第2会場は同15日からで、10月14日まで。協議会は6月2日に第1会場で田植え体験ツアーを行う。参加無料で、5月7日から先着1300人で参加者を募る。問い合わせは、村企画観光課(0172・58・2111、内線242)へ。(江湖良二)
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