宮内庁の西村泰彦長官は23日の定例記者会見で、同日発売の「週刊新潮」に、上皇后美智子さまが額賀福志郎衆院議長に対し皇位継承に関する議論を進めるよう声をかけたという趣旨の記事が掲載されたことについて「そうした事実はない。皇室の方々が政治的関与を行ったという誤解を招きかねない内容であり、見過ごすわけにはいかない」と指摘した。

 同誌は「特集」として「憂慮の果て 『美智子さま』が動かれた」などと題する記事を掲載。その中で、額賀氏が議長就任後に上皇ご夫妻と面会した際、上皇后さまから「(皇位継承に関する議論を)よろしく進めてくださいね」という趣旨の声をかけられた、と記載している。西村氏によると、昨年12月の上皇さまの誕生日に際して、ご夫妻と額賀議長が面会する機会があり、側近である侍従も同席したが、記事に記載されているような発言は一切無かったという。

 掲載前に同誌から事実関係の確認があり、宮内庁は否定する回答を送っていたという。西村氏は「我々の回答に一切触れていないというのはちょっとアンフェア」とも述べた。(中田絢子)

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