インターネットバンキングの他人名義の口座から約2千万円を不正送金するのを手助けしたとして、警視庁サイバー犯罪対策課は23日までに、福島県白河市の派遣社員、阿部雄哉容疑者(36)ら男3人を電子計算機使用詐欺ほう助の疑いで逮捕した。

他に逮捕されたのは同県矢吹町のアルバイト、山田政克容疑者(27)と川崎市の無職、黒沢吉信容疑者(34)。同課によると、3人とも「生活のためにお金がほしかった」などと容疑を認めている。

3人の逮捕容疑は2023年9月13日、都内在住の男性名義の口座にかけられた出金停止の措置を解除するため、携帯電話を使って楽天銀行に電話をかけ措置を解除。同13〜14日に何者かが3回に分けて約1996万円を別口座に不正送金するのをほう助した疑い。山田、黒沢両容疑者は携帯電話の調達などに関わり、阿部容疑者が電話をしていた。

同課によると、事件直前の同9月3日、男性の口座への不審なログインを検知した楽天銀行側が口座からの出金を停止していた。停止措置の解除には通常、契約者自身による本人確認が必要になる。3人は住所や生年月日といった個人情報などを用いて契約者の男性を装っていた。

3人は対話アプリ「LINE」や「微信(ウィーチャット)」を通じて指示を受け、数万円の報酬が支払われていたという。やりとりの一部に中国語が交じっていたといい、同課は指示役が中国語を用いる人物の可能性があるとみて詳しい背後関係を調べる。

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