原発と核のごみ 破られたタブー ~全国原発立地自治体調査~
高門町長は、玄海町の表明について、「我々としては核のごみを一刻も早く町の外に運び出したいという思いがある。同じ原発立地自治体として非常に困難な決断をされた玄海町には、敬意と感謝を申し上げたい」と述べました。
このうえで、「かつて原発建設をめぐって賛成、反対で町が二分した苦しい歴史を繰り返したくない。原発を受け入れたこと自体で国には貢献しており、これ以上の負担を考えたくないというのが率直な思いだ。積極的に議論を行ったり、手を挙げたりすることはない」として、最終処分地を受け入れることはないという考えを示しました。
また最終処分地をめぐる国の対応について、「自治体から手を挙げて判断を求めるというのは限界があり、いろんなことを自治体が一身に背負うことを国が求めるのはいかがなものか。適切な場所を選定したうえで、国から自治体にお願いするというやり方を検討すべきではないか」と述べて、国が主導的な役割を果たすべきだと主張しました。
【新潟県柏崎市】
また、柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市の桜井市長は「それぞれの自治体では地形や歴史などの背景が異なる。私が評価するべきではない」としたうえで、「国民全体に議論を喚起するという意味では敬意を払うべき行動だ」と述べました。
一方、「原発をめぐって市が二分された歴史もあり、これ以上、国のエネルギー政策に貢献することは今の段階では考えにくい」と述べ柏崎市では調査を受け入れる考えはないという認識を示しました。
また、政府が進めるとしている調査地点の拡大については「安定する地盤の近くに最終処分地が求められるべきだが、日本は安定したプレート上にないため、限られた所でしか処分場はありえないのではないかと思う。調査の受け入れについては自治体の手挙げ方式だが、どこでもいいというような選定の方法は、少し違うのではないかと思う」などと述べ、科学的な適性に疑問が出るような場所は調査対象にするべきではなく、拡大ありきで進めるべきではないという認識を示しました。
そのうえで桜井市長は「当面、原発が必要だということになると、放射性廃棄物をどこかで処分しなければならないのが現実だ。原発が立地する自治体だけでなく、電気を使う国民全員が考えなければいけない問題だ」と指摘し、国民全体での議論になるよう政府などが取り組みを加速させる必要があるという考えを示しました。
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