1966年に静岡県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第15回公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。検察側が論告を実施し、被害者遺族の意見陳述書も読み上げる予定。これまで袴田さんの有罪立証を続けており、厳しい刑を求める可能性がある。
同日午後、弁護側の最終弁論や、姉ひで子さん(91)の最終意見陳述を経て結審する見通し。
争点は、事件から1年2カ月後にみそ工場のタンクから見つかり、確定判決で犯行着衣とされた「5点の衣類」に付着した血痕の「赤み」。弁護側は、長期間みそ漬けされた場合は赤みが残らないとし、逮捕されていた袴田さんが隠すことはできなかったと主張した。再審開始を認めた昨年3月の東京高裁決定は弁護側主張を支持している。
検察側は再審公判で、新たに作成した鑑定書を基に「赤みが残っていたとしても不自然ではない」と反論した。
ひで子さんは同日朝、浜松市で「巌に代わって言いたいことを申し上げるつもりだ」と語った。
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