再審 判決に向け大きな節目に
最大の争点 “衣類の血痕に赤みが不自然か”
注目
検察側の専門家 “弁護側の鑑定に異論ない”
弁護団側の専門家「赤み残らない 断定できる」
姉 ひで子さん「無実だと最初から手紙に」
再審 40年以上たって実現 なぜ?
去年10月の初公判でひで子さんは証言台の前に立って無罪を主張し、「弟の巌に真の自由を与えてくださいますようお願い申し上げます」と述べました。22日に行われる審理の最後に、ひで子さんは再び法廷で意見を述べる予定です。意見陳述を前にひで子さんは袴田さんが逮捕された後、毎日のように家族のもとに送っていた手紙を読み返していました。逮捕された翌年の1967年に母親に宛てた手紙には、「僕は犯人ではありません。僕は毎日叫んでいます。ここ静岡の風に乗って世間の人々の耳に届くことを、ただひたすらに祈って僕は叫ぶ」などと、無実の訴えがつづられています。ひで子さんは手紙の内容を抜粋して、弟の思いを裁判官に伝えたいとしています。そして、1日も早く袴田さんを「死刑囚」という立場から解放してあげたいと願っています。ひで子さんは「私の意見というより巌の意見を言いたい。巌はいま、自分の意見を言えないが、無実だということは最初からずっと手紙に書いていた。これが巌の本心であるということ、真実であるということをわかってもらいたい」と話していました。
袴田巌さんの再審は、申し立てから40年以上たって実現しました。再審に至るまでに長い時間がかかったことを受け、ことし3月には再審に関する法律や手続きを見直そうと、超党派の国会議員による議員連盟が発足しました。再審の制度は通常の刑事裁判とは違って審理の進め方や証拠開示のルールが具体的に定められておらず、再審請求の審理が長期化する要因になっているとの指摘があります。議員連盟のヒアリングで最高裁判所の担当者は「証拠開示で時間がかかることもある」などと話しました。法務省の担当者は有識者などでつくる協議会が再審での証拠開示についても議論しているとした上で、「個々の事案の内容、証拠の量などさまざまな事情が積み重なっているので、何が長期化の原因になっているかを一概に評価するのは難しい」などと述べました。一方、小泉法務大臣は4月、の衆議院予算委員会で再審の制度の運用について「審理期間がたくさん伸びて、非常に長い期間かかっている事例があるのは事実だ。どうしてそういうことになったのか突き詰めて分析・検討し、原因を究明して対応していくことは今、取り組んでいるところだ」と述べています。
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