東京都知事選への立候補を正式に表明した石丸伸二氏=17日午後、広島市で
広島県安芸高田市の石丸伸二市長(41)は17日、広島市で記者会見を開き、任期満了に伴う東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に「立候補します。市長を続けたいと思ったが、それよりも優先しないといけないことがある」と正式に表明した。「私が実行したいのは東京の発展、地方の発展、国の発展です」と強調し、「政党の公認、推薦は受けない。支持は求める。無所属で出る」と述べた。 報道陣約30人が集まった中、ネイビーのスーツで登場した石丸氏。地方で人口が減少し衰退している現状を踏まえ「1300万人も減る。この町が県が国がもつはずがない」と指摘。「弱いものが集まっても勝てない。体力で圧倒的なのは東京です。人口減少という国難に立ち向かうことが重要だ」とし、「人口過密を解消して、東京を1番住みやすい街にする。住みやすさを東京で実現することが、地方の活性化につながる。政治再建、都市開発、産業創出の三つの基本方針を元に公約をつくる」と述べた。◆「恥を知れ」発言やSNS活用で注目
石丸氏は2020年8月、参院選広島選挙区を巡る買収事件で現金受領を認めた前市長の辞職に伴う市長選で初当選。人口2万6000人の自治体の首長が注目を浴びたのは、「恥を知れ」「偏向報道」など議会や記者会見での発言だ。 就任直後の9月に自身のX(旧ツイッター)で議会中に「居眠り」する市議の存在を投稿。その後の議会側との協議で「どう喝を受けた」と投稿し、名指しされた市議が市長を名誉毀損(きそん)で訴えるなど騒動に発展した。 さらに公募した副市長の人事案や議員定数を半減する条例改正案、道の駅への「無印良品」出店に向けた費用の専決処分などが議会に反対され、否決や不承認が相次いだ。記者会見では地元紙の報道姿勢を批判したり、記者を名指しして逆質問したりして紛糾した。 一方で、自身のSNSへの投稿だけでなく、公開されている議会や記者会見での丁々発止のやりとりが一般の投稿者によって編集され、動画サイトで拡散。全国からの関心を呼び込んでいる。市によると、公式ユーチューブのチャンネル登録者数は約26万人で、全国の自治体では最多。 都知事選を巡っては、2期目の小池百合子知事(71)は3選出馬への態度を表明していない。(原田遼) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。