神戸市立小学校で激辛カレーを強要するなどした教諭いじめ問題の発覚後、市教育委員会の職員として対応に当たっていた30代の男性が2020年に自殺したのは、市が長時間労働や精神的負担に対し適切に対応しなかったためだとして、妻らが市に約1億3800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁(島岡大雄裁判長)は16日、約1億2千万円の賠償を命じた。

判決によると、市教委事務局の係長だった男性は、教諭4人が同僚をいじめていた問題が19年秋に表面化してから、苦情の電話が外部から殺到し、教育委員との間の窓口も務め繁忙となった。時間外労働は19年9〜11月に月60〜90時間に上り、20年1月末ごろに精神疾患を発症。同年2月に自殺した。

判決は、上司に「睡眠薬を飲んでいる」と申告していたのに、産業医の診察を受けさせるなどの措置を取らなかったと指摘した。自殺を予見できなかったとする市側の主張を退けた。

原告の妻は「夫の無念を晴らすことができたと思う。二度とこのようなことが起こらないように、職員の健康管理の徹底を願う」とのコメントを代理人を通じて発表した。市は「判決文を精査した上で適切に対応したい」とした。〔共同〕

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