兵庫県の斎藤元彦知事や県幹部を批判する内部告発文書を、元県幹部が県議や報道機関に配った問題をめぐり、県議会は来週にも文書についての調査を、県庁外部に設置した調査機関で行うように知事に求める方針を固めた。16日の各会派の代表者会議で一部会派を除き、一定の合意に至った。

 文書については、県人事課が調査しており、記載された7項目全てで「核心的な部分が事実ではない」とし、誹謗(ひぼう)中傷であると認定。文書を作成、配布した元西播磨県民局長(60)を停職3カ月の懲戒処分としていた。斎藤知事はこれまでの定例会見で、調査には弁護士が加わっている点を強調し「一定の第三者性が保たれ、客観性があり、処分の実施や内容については問題ない」としていた。

 しかし、無所属の県議5人、旧民主系の会派「ひょうご県民連合」から相次いで調査の客観性を指摘され、第三者機関の設置を求める申し入れがあった。16日にも、会派の代表者会議に参加していない会派「日本共産党」が同様の申し入れをした。

 また、この日開かれた県議会総務常任委員会で、パワーハラスメントへの対策などの質疑応答が繰り返される中で、複数の議員から内部告発文書に出てくる職員が死亡したとして、その職員の勤務状況などについての質問があった。これに対し県側は「職員が亡くなったかどうかを含めて、現時点では答えられない」と答弁した。(高木智也)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。