この時期、住宅の庭や道端にオレンジ色の花が咲いているのを見掛けたという人もいるのではないでしょうか。実はこの花には毒があり、自治体などが触れないよう注意喚起しています。
■「触るとかぶれる」有毒のナガミヒナゲシ
春から初夏へ、季節の移ろいを感じる今、全国各地で美しく咲いているオレンジ色の花。 住民(80代)「見た目がかわいいよね」 住民(20代)
「すごく薄い色でかわいいなと思います」
小ぶりな姿も相まって「かわいい」との声が聞かれますが、実は…。
鯉淵学園農業栄養専門学校藤井義晴教授
「アヘンの成分によく似たアルカロイド成分が入っているので、触るとかぶれやすい有毒植物です」 「ナガミヒナゲシ」という、地中海沿岸付近を原産地とする外来植物です。ちょうど今の時期に、きれいなオレンジ色の花を咲かせますが、茎などには有毒成分を含んでいます。 東京・池袋駅東口にも、ナガミヒナゲシとみられる花が咲いています。 1961年に東京・世田谷区で最初に確認され、現在では全国に拡大しています。
なぜ、これほどまでに広がったのでしょうか?
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■アヘン成分含む…もっと危険なアツミゲシ■アヘン成分含む…もっと危険なアツミゲシ
その理由は、ナガミヒナゲシが持つ繁殖力の強さにありました。 藤井教授「1本あれば、その種がすぐ周りに広がって、あっという間に花畑ができてしまう。大変繁殖力が強いです」 ナガミヒナゲシは、多いもので最大15万粒もの種が付いているといいます。影響は、これだけではありません。 藤井教授
「アレロパシーといいまして、植物が出す物質。他の植物とかに昆虫とか微生物に何らかの影響を及ぼす現象。庭とかに咲いていると、他の花の成長が抑制される可能性がある。ナガミヒナゲシは、阻害作用が結構強い」
東京・調布市など注意喚起する自治体が増えています。
さらに、ナガミヒナゲシよりも危険だという植物があるといいます。 藤井教授「『アツミゲシ』という名前が付いていて、その麻薬、アヘンの成分を含んでいるので、栽培は禁止です。除去する駆除する必要があると。(ナガミヒナゲシより)もっと危険な植物」 現在、アツミゲシは「あへん法」でも厳しく規制されています。
厚生労働省は、発見した際には保健所や警察署などに通報するよう呼び掛けています。
(「グッド!モーニング」2024年5月16日放送分より)
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