アメリカのオープンAIは、おととし11月に生成AIのChatGPTを発表し、世界での生成AIの拡大のきっかけとなりました。
会社は15日、東京都内に新たな拠点を設立し、今後の日本での事業方針について記者会見を開きました。
会社はアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコに本社を置き、海外拠点はイギリスとアイルランドに続き、東京が3か所目となります。
東京を拠点に日本での事業を強化し、企業向けの生成AIサービスを展開するとともに、日本語や日本文化に特化したモデルの生成AIの開発を強化する方針を明らかにしました。
一方、日本政府が進める生成AIの開発や活用にあたってのルールづくりについて、事業者の立場から協力していく考えを改めて示しました。
会見でブラッド・ライトキャップCOOは、日本はすでに生成AIの利用者が多いとしたうえで、「テクノロジーの歴史があり、重要なマーケットで、東京の拠点の設立は、非常に意味があるものだ。日本への投資は非常に可能性がある」と述べました。
生成AIの開発 日米で競争激化
オープンAIが世界に先駆けた生成AIの開発は、日本国内での事業の強化を加速させるアメリカのIT大手と、日本企業の間で競争が激しさを増しています。
日本の企業の間で生成AIのビジネスでの活用が広がるなか、日本が有望な市場とみていち早く巨額の投資を打ち出したのはアメリカのIT大手です。
▽マイクロソフトは先週、今後2年間で日本円にしておよそ4400億円を日本事業に投資する計画を発表しました。生成AIの開発や事業に欠かせない国内のデータセンターを増強するほか、東京に研究拠点を新たにつくる計画です。
▽AWS=アマゾンウェブサービスは、2027年までの5年間で日本事業に2兆2000億円あまりを投資する計画で、日本国内でデータセンターの建設や増強を進める方針です。
▽グーグルは、ことしまでの4年間におよそ1000億円の投資を日本で行うことを決めています。千葉県内でデータセンターを新たに開設したほか、日本とカナダを結ぶ海底ケーブルを敷設しました。
世界での高いシェアと豊富な資金力で先行するこうした動きに対して、日本企業は、業種や分野に特化する形でデータ処理の量を抑え、大規模なデータセンターを必要としないいわば“小回りがきく”戦略を進めているのが特徴です。
▽NTTと▽NECは、それぞれ自社で開発した生成AIの企業向けサービスを先月相次いで開始しました。
▽KDDIは今月、国産の生成AIを開発する東京大学発のスタートアップ企業、「イライザ」を子会社化し、企業や自治体向けの事業に新たに参入します。
このほか、▽ソフトバンクや▽楽天グループも生成AIの開発や事業化に向けた準備を進めていて、アメリカのIT大手と、日本企業の間で競争が激しさを増しています。
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