被害者のLINEに届いた“ニセの逮捕状”。緊急逮捕の文字にハンコも。この“逮捕状”を使い、金をだまし取る被害が全国で相次いでいます。
■約1億円だまし取る「ニセ逮捕状」の手口
ニセ逮捕状が届いた男性(30代)「警視庁を名乗っていた。話がうまいなという感じ」 これは、九州に住む30代男性のもとに届いた“逮捕状”です。 男性に届いたニセ逮捕状から
「罪名 犯罪収益隠匿罪」
「被疑者を逮捕する事を認可する」
「裁判所 千葉地方裁判所」
“逮捕状”には、他にも裁判官の名前も書かれていますが、“ニセモノ”なんです。実はいま、ニセの逮捕状を送り付け、現金をだまし取る詐欺事件が増えているといいます。
実際に同様の手口で、茨城県に住む男性が保釈金を払えば逮捕しないなどといわれ、現金 計9900万円をだまし取られました。
全国に届くニセ逮捕状、その手口とは。今年3月、九州に住む30代の男性のもとに「アメリカ合衆国」と表示された電話番号から電話がありました。 ニセ逮捕状が届いた男性「マネーロンダリング事件に関与しているなどと警察役に言われた。『なぜアメリカから?』と聞くと、それっぽい言い訳をされた」 その後、男性は「捜査本部」と書かれたLINEアカウントを登録するよう誘導され、その後、ビデオ通話がかかってきます。 男性はその様子を写真に収めていました。その相手は、顔出しで会話をはじめ、手には警察手帳のようなものを持っています。 ニセ逮捕状が届いた男性
「(詐欺だと)顔を出すというイメージなかったので、そこで信じていた。こんな感じでやるんだと。半信半疑ではあるが、こういうもんなんだと」
「(Q.相手の人数は?)2〜3人周りにいて検察官役もいて、人が代わっていく。フルネームは知らなかったが、僕の名前は知っていた」 顔を出し、信じ込ませようとする人物。さらに、LINEで“逮捕状”を送り付けてきます。 一見すると本物のように見えますが… 元警視庁刑事 吉川祐二氏
「もし私が示され、よく見たら、すぐに違いが分かると思うが、ぱっと見た感じでは本物と近い状態」 次のページは ■プロが指摘する本物との「違い」
■プロが指摘する本物との「違い」
本物と偽物の見分け方。プロが指摘するのは、千葉県警という文字でした。
逮捕状を見た男性は… ニセ逮捕状が届いた男性「マジかという感じ。最初は信じていた部分もあるので」 男性は動揺し、信じ込みそうになります。それもそのはず、“逮捕状”には、自身の名前と住所が書かれていたのです。 ニセ逮捕状が届いた男性
「最初の方のタイミングだったと思うが、個人情報を聞かれるんで、そこでベラベラしゃべってたんで」
しかし、ある一言で詐欺だと気づきます。
ニセ逮捕状が届いた男性「捜査をするために、口座情報を調べると言われ、口座情報をキャッシュカードを送ってと言われたときに、あっ、詐欺だなと。ちょっといったん切りますと言って、交番に駆け込んだ」
突然、届いたニセの逮捕状。見分けるポイントはあるのでしょうか?
元警視庁刑事 吉川祐二氏「今回、警察官と名乗るものがかたっているのが、警視庁の警察官と言っているんですが、にもかかわらず、千葉県警の逮捕状になっている。あわせて、有効期限というものが、本来、逮捕状にはあります。それの記載がないということ、それが大きな違いだと思います」
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