2023年4月の東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、同法違反(買収)の罪に問われた柿沢未途前衆院議員(53)=有罪確定=の元私設秘書、後藤周被告(38)の論告求刑公判が14日、東京地裁であった。検察側は「公正な選挙という民主主義の根幹を揺るがした」として罰金50万円を求刑、弁護側は無罪を求めて結審した。判決は28日。

検察側は論告で、後藤元秘書は柿沢前議員の指示をうけ対立陣営の切り崩しの一環として区議らに現金を提供するなどしたと指摘。現金には前区長の木村弥生被告(58)=同法違反罪で公判中=の選挙運動への報酬の趣旨を含む認識があったと強調した。

弁護側は現金を渡す際に区長選について言及したことはなく、同時期に実施された区議選の陣中見舞いだったと反論した。後藤元秘書は最終意見陳述で「なぜ逮捕されたのかいまだに分からない。買収罪が成立するとは到底思えない」と述べた。

起訴状によると、後藤元秘書は柿沢前議員らと共謀し、木村前区長の選挙運動の報酬として、区議8人に計160万円を提供したり提供を申し出たりしたとされる。元秘書は24年1月に同法違反罪で略式起訴され、罰金50万円の略式命令を受けた。これを不服として、正式裁判を請求した。

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