ゴールデンウィークが終わり、心や体に不調が出やすい時期ですが、その不調は、腸内環境の乱れが影響しているかもしれません。
■その不調、もしかして「腸内環境」の乱れ?
まさに今、注意が必要なのが「五月病」です。新しい環境への適応がうまくいかず、心身に不調があらわれる症状です。不安感が強くなったり、無気力になったりします。
さらに注意が必要なのが、寒暖差です。最近の東京の最高気温だけでも、これだけ日々で差があります。さらに、朝晩冷えこむ日もあり、寒暖差が大きくなります。寒暖差が激しいと、自律神経が乱れて、腸の働きが低下して、腸内環境が悪化します。こうなると、倦怠感、イライラ、便秘などの腸トラブルという症状が出てきます。
脳と腸は互いに作用しています。『脳腸相関』と言われていて、ストレスで、便秘・下痢など腸内環境が乱れたり、腸の不調で、不安やストレスを招いたりします。 なぜ腸が脳に影響するのでしょうか?幸せホルモンと言われる『セロトニン』のもとは、腸で作られます。そのため、腸内細菌のバランスが崩れて、腸で作る『セロトニン』のもとの量が不足すると、脳でもセロトニンが不足します。 腸内環境を整えることが、体だけでなく、メンタルの不調の改善にもつながる可能性があります。
では、腸内環境を整えるには、どうすればいいのでしょうか?京都府立医科大学の内藤教授によると、「食物繊維の中でも、特に腸内で発酵しやすい 『発酵性食物繊維』が注目されている。近年研究が進み、摂取すると腸内環境をより整えると考えられている」ということです。
発酵性食物繊維の働きです。善玉菌のエサとなって発酵し、善玉菌の増殖をサポートします。そのため、腸内環境の改善が期待できるということです。では、発酵性食物繊維は、どんな食材に含まれているのでしょうか? 小麦全粒粉、小麦ブラン(表皮)、玄米、根菜類、大豆製品などに多く含まれているといいます。
■1週間に食べた物で判定「おなか元気度」発酵性食物繊維を含む食べ物で、皆さんの『おなか元気度』をチェックします。発酵性食物繊維を含む食べ物16個のうち、この1週間で食べた食材をチェックしてください。
チェックの目安です。京都府立医科大学の内藤教授によると、0〜4個は赤信号、5〜8個は黄色信号、9個以上は青信号、だということです。
内藤教授「発酵性食物繊維は、種類によって、食べてから発酵するまでの時間が異なるので、色々な種類の発酵性食物繊維を取ることが大事」
■健康長寿の町で「ほぼ毎日」食べているもの
“健康長寿の町”と言われている町の郷土料理にも、『発酵性食物繊維』が含まれていることがわかりました。
京都府京丹後市です。満100歳以上の高齢者が126人います。これは、人口比でみると全国平均の約3倍です。大腸がんの罹患率をみると、京丹後市のある丹後地域は、京都市などの約6割です。そして、京丹後市の高齢者の“血管年齢”が、全国平均より10歳ほど若いというデータもあります。
京都府立医科大学の内藤教授によると、「多くの京丹後市の高齢者が、玄米ご飯やいも類をほぼ毎日食べている。昔からの食生活が、健康長寿に関係しているのではないか」ということです。 京丹後市の代表的な食生活です。玄米ご飯、さつまいも、あご(飛び魚)の団子汁、わかめの佃煮、黒豆などです。こうした京丹後市の郷土料理には、発酵性食物繊維が多く含まれているということです。
管理栄養士の岸村さんに考案してもらった、発酵性食物繊維を豊富に使った料理をご紹介します。おすすめの料理一つ目は、「めかぶと納豆のもち麦キムチごはん」です。
作り方は、もち麦ごはんに、めかぶ、キムチ、納豆、海苔をのせます。もち麦や海藻で、発酵性食物繊維を豊富に取ることができます。
二つ目は、「サバ缶ブランサンド」です。
(1)全粒粉パンを半分に切り、トースターで焦げ目がつくまで焼きます。
(2)水菜を適当な長さに切り、小麦ブランシリアルとサバ缶を混ぜ合わせます。
(3)(1)のパンに(2)の水菜、小麦ブランシリアルとサバ缶を混ぜ合わせたものを挟みます。
全粒粉パンと小麦ブランのダブルで、発酵性食物繊維を取ることができます。
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