1945年5月14日に行われた高知港への空襲(豊の国宇佐市塾提供)=共同

戦時中の資料を収集、解析している大分県宇佐市の市民団体「豊の国宇佐市塾」は13日までに、米軍による空襲や日本艦艇への攻撃の様子などを収めた米軍撮影とみられる映像計17点を新たに報道陣に公開した。世界最大級だった戦艦大和が映ったカラー映像を含む。18日に市内で開く平和イベントで一般公開する。

団体は、米国立公文書館から映像を入手し、解析できたものを例年公開している。今回は団体の織田祐輔さん(37)が2013年から今年にかけ入手したもので、戦果報告のために戦闘機に標準装備していたガンカメラや、機内の手持ちカメラで撮影されたとみられる。

1945年3月19日、山口県岩国市沖で米軍機の攻撃を受ける日本海軍の戦艦大和(円内)。回避行動をとる航跡が見える(豊の国宇佐市塾提供)=共同

団体によると、17点は1945年2〜8月に、北海道や沖縄など12道県で撮影された。大和のカラー映像は、3月19日に山口県岩国市沖で、米軍機から攻撃を受け激しい水柱に囲まれる場面が映っている。

終戦前日の8月14日に佐賀県唐津市の唐津港に停泊中の船舶や、長崎県平戸市沖で輸送船が攻撃を受ける様子を収めた映像もある。

織田さんは「長崎への原爆投下後も、攻撃が続いていた事実を知ってほしい」と強調。「教科書に載っていない被害がたくさんあった。戦争について考えるきっかけになれば」と話した。〔共同〕

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