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 能登半島地震の津波によって使えなくなった漁の網などが「災害ごみ」として認められず、廃棄費用を巡って漁師の人たちが頭を抱えています。

■処理費用“100万円以上” 漁師が苦悩

 石川県珠洲市にある港の一角に山積みにされた網やロープ。  地震と津波で自宅や船を失った漁師歴40年の蟹谷博樹さん(61)は、使い物にならなくなった道具の回収に追われる日々を送っています。しかし…。 蟹谷さん
「業者に頼めば、100万円ではきかない。網とかロープとか、海に使う物は漁協がやってくれと」  通常、地震や津波で壊された物は自治体によって、災害ごみとして認められれば、無料で廃棄することができます。

 しかし、漁師たちは自分たちで費用を支払って、網やロープを産業廃棄物の業者に処分を依頼しなければならないというのです。

 一体、なぜこのような事態になっているのでしょうか。

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■東日本大震災の時は…「災害ごみ」で処理

■東日本大震災の時は…「災害ごみ」で処理

 能登半島地震の津波で使い物にならなくなった網などの処分に、漁師の蟹谷さんは頭を抱えます。

蟹谷さん
「海のごみを(災害ごみの中に)入れてくれるなと言って。あんたら(行政)は何を集めるのかと言いたい」  地震や津波で壊れた家具や家電などの災害ごみが無料で廃棄できる一方で、漁に使う道具を災害ごみとして認めない理由について、珠洲市はこう説明しています。 珠洲市の担当者
「漁に使う網などは津波による被害の物か、以前から放置されていた物か判別できないこともあり、災害ごみの対象になりません。産業廃棄物扱いになるため、漁協での処理を求めています」  珠洲市は、網などの回収に見合った賃金を支払うと申し出、廃棄処分の費用にあててもらうことを漁師ら関係者に提案しています。  ただ、東日本大震災の時には、特別法により岩手県と宮城県で5万トン以上の網が災害ごみとして処理されています。  こういった事実を踏まえて、石川県漁協は「このままでは、漁業の復旧・復興の足かせになる。国には、東日本大震災の時と同様の対応を求めていきたい」としています。

 失った家や船の後片付けもままならない蟹谷さんに、さらに道具の廃棄費用の問題が重くのしかかっています。

蟹谷さん
「船一隻で、解体費用が200万円ほどかかっている。行政が(網などの廃棄を)やりますと言えば、お金はかからない。(東日本大震災と)何を差別をするのかな。こっちも一緒やろ。そういうふうに処理してほしい」

(「グッド!モーニング」2024年4月15日放送分より)

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