12日の「母の日」に合わせ、家族への悩みや「母の日」へのモヤモヤなどを分かち合うイベント「裏母の日」が、東京都渋谷区渋谷3丁目のイベントスペース「100BANCH」で開かれた。

 主催は家庭に自分の居場所がない若者たちのサポートをするNPO法人「第3の家族」(横浜市、奥村春香代表)。会場とオンラインで、20人が参加した。

 イベントでは、批判やアドバイスをしないというルールのもと、各自の経験を語った。参加者の一人は子どもの頃に母の日にプレゼントをして、気に入ってもらえなかった経験を紹介。「いくらなの。レシートを出して」と言われ、返品された経験が複数回あったという。「子どもの頃は悲しかったけど、引いた目線で考えるとおかしい。クレージー」と話した。

 別の参加者は家族との関係が良くないことを周りに明かしておらず、日常会話で「年末年始は実家に帰るの?」と聞かれることがつらいと打ち明けた。それに対し、「出た! キセ(帰省)ハラ」と別の参加者が答えるなど、「あるある」を笑いながら共有した。

 参加者の男性(40)は「『裏母の日』に集まる人だから、家族についてネガティブなことを言っても大丈夫だろうと思えた。まったく知らない人だからこそ自然体で話せた」と振り返った。

 奥村代表は「思った以上に議論が白熱した。既存の『ハレの日』にとらわれないイベントを開催して、居場所があると知らせていきたい」と話した。(関口佳代子)

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