JR神戸駅を出発する神戸―大阪間の鉄道開業150周年の記念列車(11日、神戸市中央区)

1874年に西日本で初となる鉄道が神戸―大阪間で開業してから11日で150周年を迎えた。明治時代、国内初だった新橋―横浜間の約1年半後に開通して以降、全国に広がる鉄道網の西の拠点として発展。沿線では歴史を紹介する様々なイベントが企画され、多くの鉄道ファンや家族連れでにぎわった。

この日午前、JR西日本が神戸駅で開催した記念式典では、沿線地域の150年の歴史を紹介する写真などを展示した記念列車(6両編成)が登場。事前の抽選で選ばれた約150人を乗せ、大阪駅に向けて出発した。同列車は12日から通常ダイヤに組み込まれ、20日まで運行する。

神戸―大阪間鉄道開業150周年の記念式典で披露された記念モニュメント。開業同時の神戸駅近くを走る蒸気機関車が描かれている(11日、神戸市中央区のJR神戸駅)
150年の歴史を紹介する記念列車の車内ポスター(11日)

神戸市東灘区の黒川雅司さん(73)は妻の律子さん(72)と来場し「50年以上通勤に使ってきたが、昔に比べると乗り心地や設備が向上した」と感慨深げ。「きょう撮った記念写真を(離れて暮らす)鉄道好きの孫に送って喜ばせたい」とほほ笑んだ。

JR西は開業当初からあった6駅(神戸、三ノ宮、住吉、西宮、尼崎、大阪の各駅)の初代駅舎の写真を印刷した入場券や沿線ゆかりの食材を使用した弁当などを発売。沿線自治体と協力し、街の移り変わりを紹介するパネル展示など、12月ごろまで様々な企画を予定している。

神戸―大阪間の鉄道は1874年5月11日の開業後、77年に京都まで延伸。89年には新橋までつながる東海道線が全線開通した。神戸駅は同線の終点と山陽線の起点となり、東西の鉄道をつなぐターミナルの役割を担ってきた。

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