新聞を活用した教育の普及を目的とする第18回NIE福岡県大会が3日、宇美町井野の町立井野小学校で開催された。同町の小中学校の教員らを中心に約270人が参加した。

 「火事からまちを守る」をテーマにした3年生の社会の公開授業では、朝日小学生新聞に掲載された最年少防災士の小学生の記事を取り上げた。記者がオンラインで授業に参加し「被害を減らすためみんながどんなことをできるか、家族や友達と話し合ってみよう」と呼びかけた。

 また、5年生の児童が新聞を活用した取り組みを寸劇で振り返り、新聞を介して「知らないことがわかる」「支援の輪が広がる」など、おもしろさを紹介した。

 身近な人と新聞記事について話し合った感想文を小中高生から募る「第15回いっしょに読もう! 新聞コンクール」(日本新聞協会主催)の表彰式が3日に開催された第18回NIE県大会であった。

 福岡県内からは6212編の応募があり、県最優秀賞には明治学園小の能美になさん(5年)、福岡教育大付属小倉中の河野七愛さん(3年)、東福岡高の清武琳さん(1年)の3人が選ばれた。

 能美さんは、英王室のキャサリン妃のがんに関する記事を選んだ。自身も母親からがんを告げられて動揺した経験をふまえ、小学校でもがんを学ぶ機会を設けることを提案した。

 河野さんは福岡市の路上禁煙の記事を取り上げた。他市と比べ対策が緩いと感じたが、母親と話し合い「自主的にルールを守るようになってほしいのではないか」と考えるようになったという。

 旧優生保護法の記事を選んだ清武さんは、先天性の障害があり、不寛容による差別が今もあることに心を痛める。多様性が尊重され、様々な人が生きやすい社会になるような未来に期待を寄せた。

 ほかの主な受賞者は次のみなさん。(敬称略)

【県優秀賞】申ハナ(明治学園小1年)▽野入桃子(同6年)▽梅津太緒(野間中3年)▽神谷幸希(飛幡中3年)▽柴田深冬(東筑高3年)▽永尾美瑠(小倉南高2年)

【県学校賞】井野小▽飛幡中▽小倉南高

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