みなさんは、「好きになれない科目」はありますか?
「学生時代、数学だけは苦手だったな」「理科はどうしても好きになれないんだよな」という人もいると思います。
しかし、「好きになれない」という感情は、基本的には科目そのものではなく、学校の先生との相性によって決まってしまう側面が強いと思います。その科目の面白さが伝わらないとか、先生の指導が厳しく、科目そのものを嫌いになってしまったなど。先生との相性の問題で、好きな科目になるかどうかが、左右されてしまう部分もあります。
今回は「苦手科目が好きになる本」を6冊、紹介させていただきます。5教科それぞれ、これを読めば好きになる本を揃えましたので、ぜひご覧ください。
韓国人が教える、英語と日本語の違い
英語:がっちゃん英語
『がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書』(KADOKAWA)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします英語は『がっちゃん英語』です。日本に住んでいた経験がある韓国人の「ごく普通の外国人 がっちゃん」が、外国人として、日本人向けに英語の勉強法を教えてくれる1冊です。
日本語も英語も、がっちゃんにとっては母語ではありません。外国人として英語と日本語を学ぶがっちゃんが、それぞれの言語の違いを教えてくれます。
日常生活の中で、日本人の先生や、英語を母語とする外国人の先生から学ぶことはあっても「両方とも外国語として学んだ人」にはなかなか出会えないですよね。そして、そういうバックグラウンドがある筆者の話だからこそ、この本は読んでいて楽しいわけです。
「完了系って、『過去から始まって、現在に至るもの』なんてわけがわからない説明をされることがあるけれど、実は日本語にも同じようなフレーズがあるよ。『あれ?顔色悪いよ?』『ああ、へんなもの食ったんだ』って。現在起きていることの原因を、過去の出来事を使って説明するよね。これが完了系だよ!」
というように、日本語を当たり前に使っている日本人ではわからないようなポイントを、うまく教えてくれるのです。英語でつまずいてしまったという人でも、この本で勉強すればきっと英語ができるようになるはずです。
数学:『東大式 数値化の強化書 』
『東大式 数値化の強化書』(彩図社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします次は『東大式 数値化の強化書』です。数学が嫌いになる原因の1つに、「数学なんて勉強しても、なんの意味があるんだ?」と感じてしまうことがあります。5つの科目の中で、いちばん「やっていなくても、なんとかなりそう」な科目ですよね。
しかし、この本では、日常生活の中で本当に使える数学のテクニックを教えてくれます。いろんなシーンの中で、さまざまな選択肢を提示し、どうすれば最善の選択肢が取れるのかを考えさせてくれます。
例えば、目的地に行くために、どの交通手段を利用するか。タクシー、電車、徒歩で行くのかを考えるときに、どう数値化して計算すれば安く済む「最善の選択」を取れるのか、といった問題が出題されています。
よくありそうなシチュエーションですよね。この本を読むと、「数学は、日常生活でこう使うんだ!」ということが、よく理解できるようになります。
実は面白い、東大のユニークな入試問題
社会:『東大の良問10に学ぶ世界史の思考法』『「ドラゴン桜」式クイズで学ぶ東大思考』
『東大の良問10に学ぶ世界史の思考法』(星海社新書)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします社会が楽しくなる本は2冊紹介させていただきます。『東大の良問10に学ぶ世界史の思考法』と『「ドラゴン桜」式クイズで学ぶ東大思考』です。
これらの本は、両方とも東大の入試問題を題材にしている本です。東大の入試問題と聞くと、難しく感じるかもしれません。実際に解いてみると難解な問題が多いのですが、みなさんが想像する「難しさ」とは少し質が異なります。
『「ドラゴン桜」式クイズで学ぶ東大思考 なぜブルーベリー農家は東京に多いのか? 』(星海社新書)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします例えば、
・47都道府県の中で、いちばんブルーベリー農家が多いのは東京都ですが、それはなぜか考えて答えなさい。
・運輸・通信手段の発展が、アジア・アフリカの植民地化をうながし、各地の民族意識を高めたことについて論述しなさい。
このように、重箱の隅を突くような知識の問題ではなく、考えさせられる問題が多いのです。
東大の地理では日常生活のふとした疑問が出題され、世界史では「大雑把な世界史の動き」を問うような問題が多く、本質的で、知的好奇心のくすぐられる、とても楽しい問題ばかりなのです。
これは勝手な想像ですが、東大の先生は「この問題、面白いでしょ?」と考えながら、出題しているのではないかと思います。知の巨人が考える、知的好奇心がくすぐられる良問。そんな問題を扱うこれらの本を通して、ぜひ社会の面白さに触れていただければと思います。
本気で研究に立ち向かう姿が描かれる
理科:生物と無生物のあいだ
『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします理科でおすすめなのは、『生物と無生物のあいだ』です。「面白かった!」「これを読んで、生物学の勉強をしたいと思った!」と語る東大生が多い、とても面白い1冊です。
この本はタイトルのとおり「生物と無生物はどう違うのか」という問いに対して、本気で研究する姿や、その結果が描かれているのですが、その研究過程が読んでいてとても面白いのです。
「最先端の研究をしている人たちは、こういうことを考えながら実験をして、このような喜怒哀楽があるのか」ということがありありと伝わってきて、ページをめくる手が止められなくなります。理科の勉強をしていてもわからないような、研究者の苦悩や苦労、そして喜びがわかる1冊です。ぜひ読んでみてください。
国語:日本語チェック2000辞典
『日本語チェック2000辞典』(京都書房)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします最後は、『日本語チェック2000辞典』です。この本は、誰もが知っている言葉の意味が、辞典のように「あ行」〜「わ行」まで載っています。
問題形式で「この言葉の意味は?」「これは正しい?間違っている?」というチェックがあり、そのチェックの答えと合わせて言葉の勉強をすることができます。語彙力をアップさせるためにはとても参考になる1冊です。
語彙力の勉強は、とても重要なものだと思います。僕はもともと偏差値35で、国語がどうしても好きになれませんでした。文章を読んでも、なかなか頭に入らず、勉強しようという気にはなれませんでした。
ある時そのことを予備校の先生に相談すると、「じゃあとりあえず、この本を読んで、語彙力をつけるといいよ」と言われました。言葉の意味を深く理解すれば、相手の言っていることもよく理解できるようになります。
頭のいい人が、どういうふうに言葉を選んでいるのか。「信用」と「信頼」、「矜恃」と「プライド」など、これらの言葉をどう使い分けているのか。それが理解できるようになると、文章もどんどん読めるようになるよ、と先生に言われて、その言葉どおりに勉強した結果、国語は僕の得意科目になりました。
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