まずは使いやすい表現を覚える
みなさんは、英語の試験で出題される英作文の問題は得意ですか? 英検を始め、多くの試験において「ライティングの問題が苦手だ」と嘆く人は、とても多い印象を受けます。日本語で作文を書くのですらも難しいのに、英語で文章を書くとなると、とても難しいと感じる人が多いのは当たり前のことだと言えるでしょう。
では、それに対して、英検に合格した人はどのような対策を取っていたのでしょうか。
多くの人は「0から書くのではなく、使いやすい表現を覚えておいて、それを使い倒す」ということを実践していたようです。
例えば、broaden one’s mind(視野が広がる)という表現があります。「自分の世界が広がって、視界がひらけたような気分になること」を指します。一見普通の表現ですが、この表現を使えば、なんでも答えられます。
「旅行についてどう思いますか? 英語で答えなさい」という英作文の問題があったとしましょう。
これを1から文を考えて答えるのは大変です。ですが、先ほどの「視野が広がる」を使うと、「Travel abroad broadens my mind」(旅行は私の視野を広げてくれます)と書くことができます。
また、「あなたの好きな科目はなんですか?」という英作文の問題があったとしましょう。これも、「It is English. It broadens my mind」(英語です。英語は私の視野を広げてくれます)と書くことができるでしょう。
もっと言えば、あえてその表現を使うという手もあります。「リモートワークについてどう思いますか?」という英作文があったとき、0から英文を作ることは難しいと思います。
でも、先ほどの一文をどうにかして使えないか、と考えて、「I think working outside broadens my mind」(外で仕事することは、私の視野を広げてくれます)などと書くこともできるはずです。
「この絵をどう思いますか」→「自分の視野を広げてくれると思います」
「60歳になったら何をしたいですか」→「海外に行って視野を広げたいです」
「子供ができたらどんな教育をしますか」→「視野を広げてあげたいです」
と、なんでもこの一文を使って返すことができるわけですね。
覚えた表現や型を使って英作文に挑む
とはいえ、「これは本質的な英語の能力ではない」と考える人もいると思います。これで英語ができるようになったと言えるのだろうか、と。
しかし、よく考えてみれば、英語を話すときでも、英語を使って何かを書くときでも、覚えている表現を駆使してなんとか対応する、というのはとても重要なことです。
使いやすいものを覚えて、その表現や型を用いて話す・うまく書けるようになるのは、何も間違ったことではないのです。漫画『ドラゴン桜』でも、こうした「型」の重要性について述べられています。
※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
(漫画:©︎三田紀房/コルク)さて、今回は具体的に、3つの「使いやすい英語表現」をみなさんにお伝えしたいと思います。
あなたは、外国人の知り合いから以下のQUESTIONをされました。QUESTIONについて、あなたの意見とその理由を2つ英文で書きなさい。
語数の目安は50~60語です。
Do you think students should study abroad?
「留学についてどう思うか」という英作文問題ですね。英検でも出題が考えられますし、ほかの英語の資格試験・入試でもよく出題される問題だと言えるでしょう。これに対しては、以下の3つのポイントを駆使することで英作文を書くことができます。
①broaden one’s mind[horizon]
先程も出てきた、broaden one’s mind[horizon]は、「視野を広げる」という意味の表現です。かなり使い勝手がよく、なんでも使えます。
Doing volunteer work broadens our mind[horizon].
(ボランティアをすることは、私たちの視野を広げます)
I want to study at an American university to broaden my mind[horizon].
(私は、自分の視野を広げるためにアメリカの大学で学びたいです)
このように、「視野を広げる」という表現は、自分が今まで知らなかったことを知り、経験したことのないことを経験する(留学やボランティア、生徒会活動や起業など)という文脈と、とても相性がいいですね。
この問題のテーマである「留学」は、まさに新たな学びや経験を得られる貴重な体験であり、broaden one’s mind[horizon]「視野を広げる」という表現にぴったりです。
Studying abroad broadens students’ mind[horizon].
(留学をすることは生徒の視野を広げることにつながる)
とも、使うことができます。
因果関係を示すときに使える表現
②This[A] enable us to
次にご紹介する「This[A] enable(s) us to」は、「これ[A]は私たちが〜することを可能にする」という意味の表現です。
より自然な日本語にすると、「これ[A]によって、私たちは〜できる」となります。「可能にする」というのは日本語で言うと難しく感じるかもしれませんが、「こういうことができるようになる」と言う意味なので、因果関係を示すときに使いやすいですね。
Online courses enables us to study at anytime and anywhere.
(オンライン講座によって、私たちはいつでもどこでも学ぶことができます)
そして、この問題ではこんな使い方が考えられます。
Going to foreign countries enables students to learn about different cultures and traditions.
(外国に行くことは、異なる文化や伝統について学ぶことを可能にします)
これはつまり、「外国に行くことで、異なる文化や伝統について学ぶことができる」という意味ですね。
ただ外国に行って学ぶだけでなく、その土地の文化や伝統に触れることも留学の醍醐味ですよね。この問題でも、この観点を使えばいい答案が書けそうですよね。
③developの使い方
3つ目は「develop」です。Develop(発展させる)という単語は、先進国/発展途上国(developed/developing countries)と使われているように、なんだかスケールが大きそうな単語ですよね。でも、実はこの単語、個人の「成長」や「発展」という意味でも使えるので、守備範囲が広いのです。
『ドラゴン桜公式 10日で攻略 ドラゴン英検2級』(リベラル社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプしますI can develop my writing skill by studying for the EIKEN.
(英検に向けて勉強することで、私は<自分の>ライティング能力を成長させることができます)
この文では、my writing skill(私のライティング能力)が「成長」の対象になっています。
今回の問題では、このような文が考えられます。
Students can develop their foreign language skills by studying overseas.
(学生は、留学をすることで語学力を成長させることができる/留学をすることで、生徒の語学力は成長する)
この文でも「their foreign language skills」=「彼らの語学力」の「成長」について述べられています。
もう1つ重要なのは、developは、何かをしたときに、それがポジティブな結果を生み出すときに使われるということ。上の2つの例を見ても、「英検の勉強→ライティング能力UP」「留学→語学力UP」と、それぞれの行動がポジティブな結果につながっていることがわかります。
3つのポイント使った英作文の解答例
以上述べてきた3つの要素を使うと、このような解答を作ることができます。
【解答例】I think that students should study abroad. First, studying abroad broadens students' horizons. Going to foreign countries enables students to learn about different cultures and traditions. Second, students can develop foreign language skills by studying overseas. Using foreign languages in daily life leads to improving them fast. For these reasons, I think that students should study in foreign countries.
【日本語訳】
私は、学生は留学すべきだと思う。まず始めに、留学は学生の視野を広げる。外国に行くことで、学生は異なる文化や伝統を学ぶことができる。次に、留学は学生の語学力を高める。日常生活で外国語を使うことは、より速くその言語を向上させることにつながる。これらの理由から、学生は留学すべきだと私は考える。
いかがでしょうか?このように、使いやすい英語表現を覚えて、多用すると、英作文の問題に対応できるようになります。ぜひみなさんも参考にしてみてください!
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