在日朝鮮人や日本の支援者らが13日、国会内で、朝鮮学校など外国人学校の子どもの「学ぶ権利の保障」を求める署名6万2194筆を文部科学省やこども家庭庁の担当職員に提出した。朝鮮学校への高校無償化制度の適用や地方自治体の補助金復活など、外国人学校への公的支援の拡大を求めた。
高校無償化は2010年に導入されたが、民主党政権は朝鮮学校への適用を見送り、第2次安倍政権が「朝鮮総連と密接な関係があり、拉致問題の進展も見られず、国民の理解が得られない」などとして13年に対象から除外した。東京や大阪など5カ所の朝鮮学校生徒らが国を相手取り提訴したが、いずれも最高裁で敗訴が確定した。19年に始まった幼保無償化からも、朝鮮学校幼稚園など各種学校の外国人学校が除外されている。
23年施行のこども基本法では、全ての子どもについて「基本的人権が保障され、差別的取り扱いを受けることがないようにする」との理念がうたわれている。朝鮮学校生の保護者を含む在日朝鮮人の女性団体や日本の支援グループは、政府が朝鮮学校など外国人学校を支援制度から排除しているのは「同法の理念からほど遠い、国による差別」と批判し、是正を求める署名を昨年11月から集めていた。
署名を受け取った文科省の担当者は、朝鮮学校の高校について「法令にもとづく審査基準に適合すると認めるに至らなかった」、幼稚園については「幼児教育の質が制度的に担保されているとは言えない」などと回答。こども家庭庁の担当者は「こども基本法は外国籍の子も対象としている。政府全体が法律にのっとった運営をするよう周知啓発に努めたい」と答えた。(編集委員・北野隆一)
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